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ニューボーンフォトのベストな時期

ニューボーンフォトを知っていくうちに驚かれることのひとつが、撮影に適した時期と期間の短さです。

写真は見たことはあるし、赤ちゃんの特殊な撮影というのは知っているけど、いざやろうと思った時、壁にぶつかることの多くがタイミングです。

ご依頼いただいたお客様との会話でも、「出産後、落ち着いたら依頼しようと思ったら間に合わなかった」「やろうか悩んでいたら時期が過ぎていた」など、前回の出産時での後悔の言葉を聞くことがしばしあります。

どうして時期が大切なのか理由を知っておけば、理想的な写真により一層近づくことができます。また、早期から物理的な準備と心の準備もできます。

今回は、ニューボーンフォトの撮影に適した時期に関してご説明します。 出産を控えているママや、ニューボーンフォトを検討している方、必見です。

ベストは生後2週間まで

ニューボーンフォトにおいて最も重要なのは撮影時期のタイミングです。赤ちゃんの理想的なポーズを作るために適した時期はおよそ生後2週間までと、とても短いです。

「生後すぐの赤ちゃんにポーズを作らせて写真を撮るって大丈夫なの?」と、一見不安に思われるかもしれませんが、早期にやる理由を知ることで、不安が安心に変わることと思います。

ではなぜ生後2週間までなのか、それは関節の可動域と睡眠の安定性が関係します。

関節の可動域との関係性

赤ちゃんは生まれるまで、ママのお腹の中ではずっと手足を折り曲げ、首や背中を丸めた状態で過ごします。特にアート性の高いポーズドニューボーンフォトは、ママのお腹の中にいた時のように小さく丸まった姿をポージングで表現します。この成長とともに見られなくなってしまう神秘的な姿を活かして写真に残すのが、ニューボーンフォトの醍醐味なのです。

生後すぐは首、股関節、肘、膝など大きな関節が未発達なため、関節の可動域が広く確保されています。しかし、日が経つにつれて関節は発達し、筋肉が硬くなっていきます。関節の可動域が狭くなってくると、柔軟に体勢を丸めることができず、お包みに巻くことも、うつ伏せのポーズも容易ではなくなります。無理に曲げようとすると赤ちゃんにとってストレスとなり、関節を痛める原因にもなります。寝つきが悪くなり、嫌がって手足を動かしてしまうため、ポージングが定まらないどころか、危険を伴ってしまいます。

生まれたばかりの赤ちゃんは、ママのお腹の中にいた時の感覚が残っているため、手足を体に密着させ、丸まった体勢を保っている時が落ち着き、安心して眠りにつけるのです。

個人差はありますが、一般的に赤ちゃんは、およそ3カ月で首が座り、5カ月で寝返りをうつ、7カ月頃からおすわり、はいはい、つかまり立ち、伝い歩きと段階を踏んで、1歳を迎える頃にはひとり歩きをし始めます。こうした生後1年間の驚くほど発達する運動機能からもわかるように、赤ちゃんの1週間、1カ月はあっという間に成長を遂げていきます。

徐々に肉つきも良くなるため、肘や膝の曲げ具合の変化とともに、小ささが表現しにくくなることも理由のひとつになります。たった2週間と思われるかもしれませんが、ニューボーンフォトを行うタイミングは、赤ちゃんに負荷をかけすぎないスムーズな撮影を行うために、もっとも重要な要素と言えます。

睡眠の安定との関係性

ニューボーンフォトの撮影は、必ず赤ちゃんを寝かしつけてから行うため、撮影に適した期間には睡眠の安定性も由来します。

睡眠は赤ちゃんの仕事と言われるほど、成長において重要な役割を担うため、生後1カ月頃までの赤ちゃんは1日の大半の時間を寝て過ごします。一般的に、1日のうち16〜20時間は睡眠に費やしていると言われます。基本的に、昼夜問わず母乳やミルクを飲んだら眠り、お腹が空いたら起きるというのを繰り返します。

しかし、睡眠時間は赤ちゃんの成長とともに減少していきます。1カ月を過ぎると1日の睡眠時間が2〜3時間減り、生活リズムが整い、周囲の環境にも順応してきて、敏感に起きやすくなります。そのため、生後早い段階の方が、睡眠時間が長く安定していて赤ちゃんにも負担がかかりにくいことになります。

睡眠には、浅い眠りの『レム睡眠』と、深い眠りの『ノンレム睡眠』があり、睡眠中は交互に繰り返します。赤ちゃんは大人の睡眠サイクルと比べるとレム睡眠の割合が2倍ほど多く、睡眠時間の半分を占めると言われています。レム睡眠中は、ちょっとした物音で目が覚めてしまいますが、ノンレム睡眠中は深い眠りにつくため、ニューボーンフォトの撮影では、このタイミングを見計らって撮影を進めていきます。

また、ママのお腹の中にいた時の記憶が薄れない新生児期の寝かしつけには、胎内音が効果的に働くため、この時期は寝かし付けのしやすさも関係します。ママのお腹の中で羊水を通して聞こえていたような低音の擬音や、換気扇やラジオ、雨音、波音などのホワイトノイズを聞かせることで安心して寝てしまうことが多々あります。

ニューボーンフォトで睡眠の安定性が重要なのは、赤ちゃんが目覚めやすいと、手足や体を伸ばして活発に動くことで危険を伴い、赤ちゃんがリラックスして落ち着くまでに、より多くの時間を費やすからです。最悪の場合は、赤ちゃんへの負担を考えて希望のポーズが取れなくなることもあります。

まとめ

・ニューボーンフォトの撮影にもっとも適した期間は生後2週間以内
・関節の可動域が広いため、ママのお腹の中にいた時のような柔軟なポーズが取りやすい
・手足や体を曲げるため体の肉つきがほどよい時期
・睡眠時間が長く安定しており、深い眠りにつくと起きにくい
・起きて手足が動くと危険を伴うため寝ている間の撮影が鉄則
・生後すぐはママのお腹の中の記憶があり寝かしつけやすい

ニューボーンフォトのベストな時期と理由について、お分りいただけましたでしょうか。

ママにとっても産後は体もメンタルもデリケートな時期です。すぐに慣れない育児が始まり、余裕はないかもしれませんが、ニューボーンフォトで我が子のかわいくて神秘的な姿を目にすると、出産の疲れが癒され、感動もひとしおです。せっかく記念に残すなら、撮影の時期を考えて、できるだけ赤ちゃんやママに負担をかけず、理想のポーズやスタイルで撮影ができるといいですね。