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ニューボーンフォトとは

最近SNSでも頻繁にアップされるようになったニューボーンフォト。

依頼されるご家族や、撮影をするフォトグラファーも年々増えているように感じます。

初めて写真を見る方にとっては、これまでの誕生記念写真の概念をくつがえす不思議な感覚を覚え、一気にその世界に引き込まれ、虜にさせる魅力を感じることでしょう。

では、ニューボーンフォトっていったい何なの?

今日はそう疑問に思われている方も多い、ニューボーンフォトはどのようにして始まり、何を目的にしているかなどをご説明します。

これを知ることで、ニューボーンフォトに対する理解と意義が一層深まると思います。

出産を控えている、あるいはニューボーンフォトをやろうか検討しているママやパパは必見です。

ニューボーンフォトの起源

ニューボーンフォトは新生児写真のことで、生後2週間くらいまでの赤ちゃんの、誕生直後の特別な姿を残す写真です。その発祥はアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアです。

ニューボーンフォトに大きな影響を与えたのは、世界的に著名なオーストラリア人の女性写真家、アン・ゲデスの功績といわれています。彼女は、花や植物に抱かれた赤ちゃん、昆虫や動物に扮した赤ちゃんを巧みに撮影しました。

彼女の楽しく、驚くほど魅力的な赤ちゃんの写真は、ポストカード、カレンダー、ポスター、書籍などになりました。 これらは、新生児の写真に興味がある人にインスピレーションを与えたといいます。彼女の人気が高まってから、ニューボーンフォトという新たなトレンドが定着しました。

独創的なスタイルで赤ちゃんを写真に撮ってもらいたいと考える人たちも増え、無事に出産したことを親族や友人に報告するバースアナウンスメントカードにニューボーンフォトが用いられるようにもなりました。

こうしてニューボーンフォトは90年代頃から欧米で一般に広がり、その後日本にも渡り、2010年代頃からSNSの普及とともに急速に認知度が高まりました。

ニューボーンフォトの意味と目的

赤ちゃんは誰しもみなお母さんのお腹の中で一定期間育てられてから、出産という大舞台を踏んで誕生を迎えます。ママパパは、その後休む暇もないほど慌ただしい育児期間へと突入していきます。

新生児期はあっという間で、気づかないうちに数週間、数ヶ月が経過しますが、赤ちゃんは確実に毎日成長していきます。ニューボーンフォトは、そんな振り返る暇もなく一瞬で過ぎ去っていく新生児期の姿を写真に残し、何年経っても記憶と記録に残しておくことができる、人生最初の記念写真となります。

生まれた時はどれほど小さかったか、どんな顔や手足をしていたか、写真を見返せば当時の感動的な瞬間にいつでも出会うことができる、そんな力を持っています。また、成長した我が子と一緒に生まれた時を振り返る楽しみも待っています。

もちろん、パパやママなど家族が、生まれたばかりの赤ちゃんの姿を写真に度々おさめる機会も多々あると思います。それはライフスタイルのひとコマとして、コマごとに背景を持つ物語があり、とても尊いものです。

しかし、プロのフォトグラファーが撮るニューボーンフォトは少し異なります。単なる記念写真という捉え方ではなく、写真自体が芸術性を持っています。生後2週間ぐらいまでの体の柔軟性を生かして、お母さんのお腹の中にいた時の丸みを帯びた姿を再現した神秘的なポーズで、ラップ(おくるみ)やカゴや花といった数々の小道具とアイデアを巧みに使い、創造的な世界観を作ります。

ニューボーンフォトは、ポートレートの中でも非常に専門的なジャンルです。新生児の撮影は見た目ほど簡単ではなく、新生児撮影を行う特殊な技術、新生児を扱う知識と繊細さを必要とします。常に安全が最優先に考慮されなければならず、ポーズには特別な注意が必要です。写真家には、安心して任せられるプロフェッショナルが求められています。

ニューボーンフォトのスタイル

ニューボーンフォトの写真スタイルには大きく分けて2種類あります。「ボーズドニューボーンフォト」と「ナチュラルニューボーンフォト」です。両者は全く異なりますので、撮影を依頼される方は、インターネットに上げられている写真やフォトグラファーのポートフォリオを参考に、ご自分の好みや意向にしっかりと合った撮影ができるフォトグラファーに依頼することが重要です。

ポーズドニューボーンフォト

赤ちゃんの体勢から手足の指先まで繊細に位置を定め、使用するおくるみや小物、周りに飾るアイテムまで一体感にまとめ上げ、世界観をしっかりと作り込んで撮影する写真スタイルです。

写真には日常感はなく、赤ちゃん自体に焦点を当てた写真はアート性が高く、ハイエンドな作品として残ります。そのため写真のレタッチも重要な要素です。明るさ、色味、肌補正など高度な編集スキルを要するアートレタッチがみられます。

手足を折り曲げ、背中を丸めた状態で過ごしていたママのお腹の中にいた時の姿を表現するために、撮影時期のタイミングは最も重要です。理想的なポーズを作るために適した時期は、関節の柔軟性と睡眠の安定性を兼ね備えた生後2週間以内です。

[特徴]
・ レタッチ編集も含めてアート性に重点をおく写真
・ 1ポーズごとに慎重さと時間を要する
・ ポーズ間のおくるみやあやしなど、赤ちゃんの扱いが多い
・ 安全な扱い、ポーズをとるための知識と技術が必要
・ ラップ、背景、カゴやバケツ、花材など小道具を豊富に使用する
・ 専門性を要するためナチュラルニューボーンフォトに比べて撮影料金が高価になりがち
・ 撮影に適した生後期間が短い

ナチュラルニューボーンフォト

世界観を作り込まず、ありのままの自然な姿を切り取るようなカジュアルな写真スタイルです。体の柔軟さや肉付きなどが大きく関与しないため、撮影時期のタイミングはそれほど厳密でなくても撮ることがでます。

裸姿や、オムツや衣類を着用して撮るのが主流ですが、うつ伏せにさせたり、おくるみをしっかりと巻いたりするような複雑なポーズに頼るのではなく、小物を使って周りを飾り付け、その中に仰向けに寝かしつけたり、ご家族が抱っこして撮影するようなスタイルが一般的です。

ナチュラルニューボーンフォトの中には、沐浴や授乳シーンなどを撮るライフスタイルニューボーンフォトもあり、言葉の通り生活の一部を切り取る撮影スタイルで、赤ちゃんとその家族との交流に焦点を当てています。

[特徴]
・ 自然体な写真
・ 準備やポーズにかける時間が短縮できる
・ 赤ちゃんの扱いが少ない
・ 少ない小道具、背景、衣装でできる
・ 専門性を要するポーズドニューボーンフォトと比べると撮影料金が安価
・ 撮影に適した生後期間が長い

まとめ

・欧米やオーストラリアが発祥
・90年代頃から始まり、日本へは2010年代から徐々に浸透
・SNSの普及とともに発展
・ママのお腹にいた時のような神秘的な姿を表現
・人生最初の特別な記念撮影をアート作品として残す
・ポーズドニューボーンフォトとナチュラルニューボーンフォトが存在

ニューボーンフォトのルーツや目的について、お分りいただけましたでしょうか。

ママが希望されてご依頼をいただくパターンが圧倒的に多いですが、ぜひパパにもご理解いただき、悔いを残さず、ご家族みんなでニューボーンフォトの楽しさと素晴らしさを共有していただければと思います。